Stay hungry. Stay foolish.

全地球カタログをご存じですか? 正式な名は Whole Earth Catalog。1968年にアメリカで創刊され、当時のヒッピー文化を象徴する書籍の一つとして支持を集めました。‘‘Access to Tools’'をテーマにアメリカの若者たちの新しいライフスタイルを具現化する膨大な量の商品が掲載され、80年代の日本のサブカルチャー雑誌を代表する「宝島」や「POPEYE」などにも大きな影響を与えたと云われています。

掲載商品は、編集者のステュワート・ブランドが独自に決めたフィルターを通ったものでした。
•Useful as a tool, ―有用な道具である―
•Relevant to independent education, ―独学に関係がある―
•High quality or low cost, ―高品質または低価格―
•Easily available by mail. ―通信販売で入手が可能―

当時アメリカで流行し始めた自給自足のコミューンでの生活者のための様々なツールを体系立ててまとめた情報カタログは、道具と情報に加え具体的な入手方法まで記載され全米で150万部を超えるベストセラーになりました。インターネットを最大限に活用した Google検索がスタートしたのは1997年、Amazonのネット販売開始は1995年ですので四半世紀以上も前にその原型が存在していたことになります。

カタログの最終号発刊は1974年。その裏表紙に書かれていた一言がこれです。

Stay hungry. Stay foolish. ―貪欲であれ。愚直であれ。―

スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式のゲストスピーチで使用したことでも知られていますがイノベーションや文化を創造する原動力とはこのようなことかもしれません。

およそ3年にわたる経済、産業、交流の停滞を取り戻すには倍以上のパワーとスピードが必要です。失った時間や資産は戻ってきませんが、Whole Earth CatalogからGoogle, Amazonへとつながる知恵とテクノロジーの大きな潮流のように、新しい時代のツールをつくりだすためのひたむきな努力を忘れずに2023年をスタートさせたいと思います。

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2023年1月1日
株式会社 イーストビューアルファ